日本の、そして世界のクルーズトレインの基準を引き上げた存在といえば、JR九州の「ななつ星 in 九州」を外すことはできません。この列車の内装で最も注目すべきは、福岡の伝統工芸である「大川組子」を贅沢にあしらった空間演出です。釘を一切使わず、緻密な木のピースを組み合わせて描かれる幾何学模様は、差し込む陽光によって車内に幻想的な影を落とします。ローズウッドやメープルといった希少な木材を惜しみなく使用した壁面は、歳月を重ねるごとに深い艶を増し、乗客を優しく包み込みます。Glamour Trainsがこの列車を高く評価するのは、単なる豪華さではなく、日本の職人魂が息づく「静謐な贅沢」がそこにあるからです。