各模型メーカー担当がその意気込みを語る!015年9月26日(土)、東京ビッグサイトで開催された全日本模型ホビーショーの会場にて、「マクロスΔ(デルタ)」の商品発売を予定している模型メーカー6社(!)の企画開発担当者が集い、制作の指揮を執る河森正治氏を囲んでの座談会を開催した。「マクロスΔ(デルタ)」では、1982年にTV放映された「超時空要塞マクロス」当時のように、複数の模型メーカーが「マクロスモデラーズ」のブランドネームの下に、同時にプラモデルの商品展開を行うというもの。 参加メーカーは、既にお伝えした(http://macross.jp/news/?id=79)通り、青島文化教材社、ウェーブ、トミーテック、ハセガワ、バンダイ、マックスファクトリーの6社(五十音順)。座談会では、その参加メーカーの担当者はどんな商品展開を考えているのか、そして、公開されたばかりのキービジュアルを基に、河森氏から今話せるギリギリの情報を伺うことができた。 まずは最初に、どんな商品展開を考えているのかをメーカー担当者から意気込みや商品企画のヴィジョンが発表された。■写真右からマックスファクトリー、バンダイ、ハセガワ、河森正治氏、ビックウエスト、トミーテック、ウェーブ、青島文化教材社。●マックスファクトリー 清水圭さん模型メーカーとしては1年半くらいの新参者なので、シンプルに「大きい!」とか、ほかのメーカーさんがやらないような無邪気な商品展開を考えています。●バンダイ 内田巧さん「新作の「マクロスΔ(デルタ)」にとても期待しています。今回も頑張りますので宜しくお願いします」●ハセガワ 桝本泰人さん「最初にバルキリーを発売して15年くらいたちますが、「今回も飛行機のハセガワ」を地でいく、堅実な商品展開を考えています」●トミーテック 天野幹俊さん「技MIX(ギミックス)という、ランナー状態で塗装済みのパーツを組み立てるというシリーズを展開しています。会場ではすでに、VF-1 バルキリーを展示しておりますので、是非ご覧ください」●ウェーブ 高沢浩一さん「「マクロスモデラーズ」は共闘がテーマとのことなので、参画社同士でバッティングしない(バリエーションに富んだ)商品展開ができればと思います。どんな商品が展開していくのか一ファンとしてもとても楽しみです」●青島文化教材社 久保田真浩さん「アオシマが参加すると聞いて、マクロスから胴体が生えていたり、バルキリーを3つに分離合体するキットを出すんじゃないかなんて言われているようですが(笑)。アオシマとしては、想像力をかきたてる、転んでもただでは起きない商品を発売したいと思っています」 河森氏は、今回の「マクロスモデラーズ」について、「“マクロス”の映像作品は、過去に起きたとされるマクロス世界での事実を、フィクションとして描いたものという考え方で作っています。なので、これまでのTVシリーズも劇場作品も、“マクロス”世界に於けるフィクションという位置づけ。そういう意味では、プラモデルについても、各メーカーさんそれぞれの個性を出していただいて、そのメーカーさんならではのアレンジなどがあって良いと思っています。各社の面白いアイディアに期待しています」と語った。 この座談会では、2015年10月29日(木)に製作発表を控えるTVアニメ最新作『マクロスΔ(デルタ)』についても興味深い話を聴くことができた。タイトルロゴまずは、Δの意味するところについて、河森氏は「Δということで「また三角関係か」という声もあるようです。僕としては新作を作るときに毎回、歌と戦闘、そして三角関係のうち、何かひとつ外したらダメかなと思うのですが、なかなか許してもらえないんですよね(笑)。“マクロス”というと、その3つの要素が必要だと。なので、今回のΔは、僕自身もその要素を忘れないようにと思って、敢えてタイトルに入れたものです。ただ、単に3つの要素を入れるというだけだと、閉じた感じがしてしまうので、ロゴではΔマークに隙間を空けています。そこから想像を広げてみて欲しいですね」と意味深なコメント。さらに、マクロスのロゴの中に惑星のようなものが描かれていることについては「「マクロス7」「マクロスF」と移民船団を舞台にして描いてきたということがあります。詳しくは話せないのですが、こちらも想像してみてください(笑)」と、さすがにコメントしづらい様子だった。キービジュアル第1弾 そして、一緒に公開されたキービジュアルについては、「(誤解の無いように言っておくと)このキービジュアルは、ホビーショーに合わせての公開したもので、特別に(真っ先にプラモデル化されるだろう)メカを、しかも飛行形態を前面に押し出したものになっています。前回は歌が有効でないように見えやすい敵ということでバジュラを登場させましたが、今回は、TVシリーズでは初となるバルキリー同士の空戦を描いてみたいということもあります」と気になる発言も! ここで、マックスファクトリーの清水さんが「デルタ翼が新鮮ですね。これがどういう風に変形するのか凄く興味があります」ともちかけると、河森氏は「手前の機体は、これまでの系列の機体であることは見ていただければ判るかと思います。後ろのデルタ翼の機体については、新しい変形をやってみたくて考えたものです。実際に発表されるまで、どういう風に変形するのか考えてみてください」と解答。常に新しいことに挑戦しようとする河森氏の姿勢の現れとも言えるだろう。 ほかにも、戦闘機同士の関係性、キャラの三角関係が気になるというウェーブの高沢さんの質問については、「3つの要素といいつつ、登場するキャラクターも含めて要素の多い作品で、実は凄く大変なんです。キャラクターなどについては製作発表会を是非お楽しみに」との回答が。 そして、航空機に詳しいトミーテックの天野さんからは「後ろの機体はまさにドラケンですよね?」との指摘も。これについても監督は「実はステルスという技術はいいと思うんだけど、最近のステルス機にはあまり納得していなくて、子供の頃から好きだったドラケンでやってみました」と。さらに天野さんからは、バルキリーのカラーリングや、模型に発光ギミックを仕込んでジェット噴射を再現している技MIX担当者らしい噴射炎の色の違いについても質問があがる。これについては「やはりアニメなので見分けがつきやすいようにどうしても派手なカラーリングにせざるをえないんです。噴射炎も同様で、遠目でも色の違いで敵味方がわかるようにする意図があります。ただし、色が違うというのは設定的には、違うメーカーの別系統のエンジンを載せているとも言えますね」と、設定面での掘り下げを披露する一幕も。 また、実際の商品化を意識した発言を聞くこともできた。ハセガワの桝本さんは、創業75年、飛行機模型としては40年以上の歴史を持つだけに、今回も堅実に、まずはファイター形態から、そして、各形態のベストプロポーションを追求したモデルを出していきたいとコメント。従来の路線を堅持する商品展開のスタイルを今回も期待できそう。 バンダイの内田さんからは「ファストパックやスーパーパーツ、アーマードなんてあるのでしょうか?」と、「マクロスF」のプラモデルなどで見せてくれた展開を彷彿させる質問があがる。これに対して「宇宙ではやはりそうしたパックが欲しいし、大気圏内でもファストパック装備が欲しいですよね。今回は、2機種あるので、大変なんですよ」と、その存在をまったく否定しない回答が帰ってきた。 そして、アオシマの久保田さんからは、「流行の美少女との組み合わせとかありですか? バルキリー少女みたいな」という、ハセガワさんの対極を成す柔らかい方向性での質問も! これには河森監督も「それ、監修するの!?」と驚いていましたが、すぐに「身に着けるのが布素材なのかそれとも実際の機体と同じような硬質な素材を身に着けるのかとか色々考えちゃいますね」と、前向きな姿勢も!? かつてバンダイから「マクロスバルキリーレディ」という商品が実際に発売されていたし、「マクロスF」でもランカのドサ回り衣装がありました。この企画実現するのでしょうか? そんな正式発表前であるにも関わらず、非常に中身の濃い話を聞くことができた「マクロスモデラーズ座談会」。最後に河森氏から「これまでも応援ありがとうございました。ようやく来月製作発表を行うことができます。やっと、色々話せるようになります。プラモデルがたくさん発売されて、いっぱい揃えることがとても楽しみです。「マクロスΔ(デルタ)」という作品はもちろん、模型展開にもご期待ください」と語り座談会は幕を閉じた。今後の各模型メーカーの商品展開に注目したい。「マクロスΔ(デルタ)」の最新情報が公開される製作発表会は、2015年10月29日(木) 12時00分から。当日は発表会の様子をストリーミング配信するので、お昼休みなどに是非チェックしよう! 詳しくは、「マクロス」ポータルサイトmacross.jpにて! また、2015年10月30日(金)から11月1日(日)にベルサール秋葉原で開催される、『TAMASHII NATION 2015(魂ネイション 2015)』(http://tamashii.jp/special/tamashii_nation/)にて、新型バルキリーについての続報が発表される! これまでのマクロス関連アイテムの展示もあるので、是非こちらにも足を運んでみよう!『”超時空”製作発表会』ライブ配信概要 ▼ライブ配信スケジュール 2015年10月29日(木)昼12時より ▼登壇予定者 河森正治氏、新歌姫オーディション優勝者 …and more ▼視聴方法 macross.jp にて後日発表