アニメソング、通称「アニソン」は、多くの文化が生まれた戦後の日本の中でも、様々な形で人々に親しまれ、時代によって変化しているものの1つです。今回はそんなアニソンについて、前編ではその「戦後史」を、後編では最新のアニソン文化事情を、日本最大のアニソンフェス「Animelo summer Live」を手がける株式会社 MAGES.協力のもと紹介します。 各回記事の最後には、有名アニソンシンガーのコメントも寄せて頂いていますのでお楽しみに! 日本で最初のアニメが誕生した大正時代 日本のアニメの歴史を遡ると大正時代まで遡ります。 1917年、無声映画を製作していた小林商会という映画会社によって作られた「なまくら刀(監督:幸内純一)」という作品が、日本で最初のアニメと言われています。上映時間は1分ととても短いながらも、起承転結を盛り込んだ内容になっていました。 その後、アニメに初めて歌がついたと言われているのが、1931年に公開された「黒ニャゴ」という作品です。この作品は、キャラクターが台詞を話すだけでなく、女性の独唱にあわせてキャラクターが踊るアニメーションが展開されます。現代で人気を博しているアニソンの原型と言えるものなのかもしれません。 しかし、戦争が始まるとアニメのあり方も劇的に変化してしまいます。戦時中のアニメは、戦意高揚の為に作られた作品がほとんどで、戦前にあった娯楽の為にあったアニメの文化は、一旦途切れてしまいます。 1950年代から1960年代「アニメ文化の誕生とアニソン」 1950年代から1960年代、戦争がおわり「戦後」と呼ばれる時代に移行していく中で、新しい文化の芽が次々と誕生します。 1964年には東京オリンピックが開催され、数々の感動に日本中が湧きました。そして、1966年には、ビートルズが来日し武道館で公演を行います。文化的な発展も目覚しい中、1963年には「鉄腕アトム」の放映が始まります。 (c)株式会社 手塚プロダクション